PROJECT STORY 02電子部品の進歩を支える、
技術者がいる
PROJECT STORY
セラミック材料技術、回路設計技術、プロセスエンジニアリング。
MARUWAが持つ複数の独自技術を結集し、
最先端の技術開発に挑むのが、コンポーネンツ事業の現場だ。
自動車、通信、医療などの先端機器に欠かせない、
電子部品開発の現場を追った。
最先端の電子部品を開発する現場には、
を開発する現場には、
“いい料理人”が必要だ。
A.O/ 開発
2006年入社 名城大学卒
大学では材料工学を専攻し、窒化物半導体による電界効果型トランジスタの研究に従事。セラミックは未知の分野であったが、面接時に感じた会社の雰囲気や環境に惹かれ入社。MARUWAでは、セラミック多層基板の開発を経験しセールスエンジニア業務にも携わる。
美味しいラーメンの作り方と、MARUWAの技術。
いきなりだが、ラーメンの話をする。さて、美味しいラーメンを作るには何が必要だろうか?まずは、いい素材。スープの出汁を取る鶏ガラや豚骨。お肉も大事だし、もちろん麺にもこだわりたい。そのうえで、最重要なのが料理人の腕だ。
いい素材があっても、それを生かす腕前がなくちゃ話にならない。スープを煮込む際の火加減を調整する繊細な技術。目指す味を完成させるための、超微妙な味の濃度をはかる舌の感覚。それらが全部そろってこそ、世界のどこにもない、究極の一杯ができるわけだ。
なぜ、こんな話をするのかって?私たちが開発する電子部品や、それらを組み合わせた電子デバイス・モジュールの世界でも、全く同じことが言えるからにほかならない。
例えば、材料。MARUWAの強みは、なんと言ってもセラミック材料技術。つまり、優れた特性を持つ材料を、ふんだんに使って開発にあたれる、ある意味で贅沢な環境がある。例えばQ値というファクターを一つ取って見ても、非常に損失の低い、優れた材料がある。サラッと言ってみたが、この技術がある電子部品メーカーって、世界でも数少ない。
そして、そういった材料を使って開発に挑む、いわば「料理人」にあたるのが、私たちMARUWAの技術者だ。優れた特性を持つ材料に電子回路設計技術を掛け合わせ、不可能を可能にする製品を生み出していると言っても、言い過ぎじゃないはずだ。
材料を最大限に活かすのが、
電子回路設計技術者の仕事。
例えば、高周波の電子デバイス・モジュール。ここでは何よりも、損失の少なさがキーワードになる。高周波の信号を無駄なく送るためには、材料の力を120%活かす回路設計技術が欠かせない。
いくつもの回路設計パターンを形にし、それぞれがどれだけ損失低減できるのか、正確で緻密なシミュレーションを繰り返し、最終的に理想の回路を実現する。試作品ができればさらに検証を重ね、評価のフィードバックを受けて回路を改善する。
こうした回路技術の結晶が、医療機器でX線の遮蔽率を高める技術として世の中に出て、人の命を救う手助けをしているのだ。
あるいは、「世界最小かつ多機能を実現する電子回路を実現せよ!」なんて課題にも直面する。つまり「もっと小さく」を目指しつつ、その中に、3つも4つも機能を足していく……なんていう、一見すると矛盾しているような開発にも挑戦するのだ。今までよりもさらに小さな基板に、どうやって複数の機能を実装するのか?まさに、回路設計技術者の腕の見せどころだ。
私たちの開発するすべての製品で、回路設計技術は欠かせない。回路シミュレーション、設計や特性などの確認を通して、目標到達の道を粘り強く探り出していく。そんな電子回路・シミュレーションのスペシャリストたちが、エレクトロニクス製品の進歩を支えている。
今日、実現したスペックは、
明日には過去のものになる。
ほとんどの場合、私たちに許されている開発期間に時間的余裕はない。プロジェクトによって違いはあるが、平均すると2ヵ月間~半年ぐらいのものだろう。長いものでは数年にまたがるプロジェクトも存在するが、いつもさまざまな技術的課題が山積している。
その間に、開発の要件定義をし、検討を重ね、電子回路設計をし、最終製品を仕上げなくてはならない。自分で言うのもおかしな話だが、これはかなり高度な仕事だ。でも、私たちにはそれができる。
セラミックメーカーというDNAゆえに、材料の知識が群を抜いている。元になる基板、コンデンサ、インダクタといった電子部品は、セラミック技術を活かした優位性の高い特性を持つ部品を使うことができる。それらを生かし、高周波、電気制御、回路設計といった知識と技術を駆使することで、お客様の要望を叶える電子デバイス・パッケージを形にしていく。こんなことが実現できるメーカーは、世の中でも数少ないはずだ。
日進月歩が続く電子部品の業界では、目覚ましいスピードで技術が進歩する。今日、実現したスペックは、明日には過去のものになると言ってもいい。大変そうだって?とんでもない。なぜなら、新しいものを生み出していく過程は、ドキドキするような刺激に溢れているからだ。
だから今日も、開発現場の深部では、時代の数歩先を行く技術開発に目を輝かせて挑む、MARUWAの技術者がいる。